[インタビュー]ユーザーが意識する必要がないところまで値段を下げる、家具のサブスク『CLAS』の価格戦略とは

単純に単価が落ちすぎているというか、トータルで買う回数は変わっていないんですよ。
なので、家具の買い控えが起きているわけではないんです。
それで、市場規模としては下がっているという状態ですね。

安価な組み立て式の家具もありますが、一度組み立ててしまうともうバラせないんですよね。
引っ越し業者の中にはNGの家具もあるんです。
そうなると、引っ越しのたびに捨てることになてしまう。
それってとても環境にもよくないなと思うんです。

服とかであれば、まだ海外の方に送るとかが出来るんですが、質の悪い家具だとそれができないんです。
家具が使い切りになってしまう。

そういうのを正常に戻したいと思いますね。

ーサブスクリプションサービスならではの苦労などはありますか?

プライシングが出来きっていないということの裏返しかも知れないんですが、売り切りのものに比べてコンバージョンレートが低いな、と感じています。
以前は私はオンラインで服を売っていたんですが、運用型広告を結構回せばそこそこユーザーが取れるんですね。
一方でサブスクリプションとなると、定期的な支払いの契約行為になってくるので、コンバージョン掘り起こしまでがちょっと高いな、と感じています。

そこもプライシングがこなれてきて、UIも整ってくれば、ちゃんと回るのかなと思っているんですが。

ー今、CLASのページにある、会員登録で1,000円キャッシュバックは新規獲得のための施策になってくるのでしょうか

あれは、そんなに強いパンチはないですよね(笑)
ないよりあったほうがいいかな、くらいでやっているような感じです。

定期の健食や美容だと、定期で8,000円とかの商品が初回パックで1,980円とか、半額とかありますが、課金をとるためにはそれくらいパンチのあることをやってもいいのかな、とは思いますね。

プライシングの実装がされるのが2月なので、まだそこまでアクセルを踏み込んでいないというのはあります。
あとは、2月中~3月頭くらいに家電系の商品カテゴリが追加されるので、アクセルを踏むのはそこからでいいかなと思っています。

ー家電も扱うんですね

家電も扱います。
電子レンジや冷蔵庫と行った白物だったりとかも扱っていきます。

サブスクに適した家具の要件は売り切りとは全然違う

ー今後のCLASの展開についてお聞かせください

やっぱり大事なのが、家具を買わない、というよりも家の中にある耐久財を買わないという文化を定着させていくことが大事だと思ってるんですね。
そのためにはプライシングがすごく大事ですし、無限にSKU(Stock Keeping Unitの略。小売業での単品管理の意味。)を広げていってしまうとオペレーションが煩雑になってしまうんですが、ある程度のカテゴリを広げていくということは大事だと思います。

サブスクマガジン 編集部
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