【インタビュー】SNSからサブスク型クラウドストレージに進化した『サマリーポケット』

ー価格の設定は定期的に見直されているのでしょうか

箱のバリエーションは日々増加しています。最初はスタンダードプランのみだったのですが、もう少し大きい箱が欲しいという声を受けて、ラージを追加したり、中身の写真を撮らないで欲しいという声からエコノミープランを追加しました。また、本を預ける際に従来の箱だと強度が足りないので、本専用の箱を追加するなど、細やかに種類は増やしています。

お客様の声を聞きながら、常にサービスの改定を繰り返しています。

 

ー利用料がかなり低価格に設定されている印象がありますが、寺田倉庫さんとの協業の影響が大きいのでしょうか

そうですね、寺田倉庫さんは個品管理のスペシャリストなので、品質と価格ではかなりの強みになっています。ワイン保管など専門的な保管もされており、安心して使っていただけるための管理体制についてはプロフェッショナルです。

 

クロスセルで儲けるのではなく、あくまでユーザーの利便性のためのオプション設計

ー箱のラインナップだけでなく、オプションサービスも追加されていますね。これはクロスセルやアップセルといった考え方なのでしょうか?

ユーザーさんの利便性を考えて、最初はヤフオク出品やクリーニングといったサービスを設定していました。最近でいうと布団クリーニングを追加しています。これも、お客さまの声を聞きながらサービスを追加しています。加えて、競合となるようなサービスの価格を比較して、よりお得になるような価格設計をしています。

こうしたオプションの設計の目的としては、オプションサービスの申込みで儲けたいという理由ではなく、よりユーザーさんの利便性を高めて、あらゆるものを預けていただきたいという考え方に基づいています。

『サマリーポケット』ではあくまでユーザーの利便性を考えてクロスセルを提供している

 

単発ビジネスとサブスクリプションビジネスを見てきて得た気づき

ー単発取引だった『サマリー』から、サブスクリプション型の『サマリーポケット』サービスを開始して、気づいたことなどはありましたか?

『サマリーポケット』の場合は、ユーザー獲得のKPIだけではなくて、その後の離脱率であったりクロスセル・アップセルが増えているのかなど、見る指標が増えている印象があります。

サービスの継続率も非常に高く、サービス開始当初から現在までご利用いただいているユーザーさんも多数いらっしゃいます。使い方としては、長期間預けっぱなしにしておく箱と、こまめに取り出す箱に分けて活用いただいていたりします。季節で取り出す洋服などの箱もありますし、お子さんの思い出の品など一度預けると長期間保管しておく箱もあります。

トランクルームの場合、2〜3年単位で引っ越しの時期が来ると解約があるとされているのですが、『サマリーポケット』の場合には住む場所を問わず継続的に利用ができるので、ご利用いただく期間が長くなる傾向があります。

 

短期・長期契約ごとのユーザーの離脱傾向

ー非常に少ないとのことですが、離脱するユーザーはどういった理由で離脱するのでしょうか

例えば、リフォームの際のお荷物の保管など、一時的な保管ニーズでご利用いただいた場合などですね。

 

ー長期で利用していた方が離脱することもあるのでしょうか

都心部のマンションから、収納に余裕のある、郊外の戸建てに転居された方などが利用をストップされるケースはあります。

 

ー離脱の理由はネガティブなものではないのですね

そうですね、住環境の変化でより面積の広い住宅に引っ越したり、トランクルーム付きのマンションに引っ越すなどの理由が主な離脱理由になっています。

 

ーサブスクリプションビジネスを運営していくポイントはどんなところにあると思いますか?

サブスクマガジン 編集部
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