【インタビュー】SNSからサブスク型クラウドストレージに進化した『サマリーポケット』

幅広いユーザーさんにご利用頂いているんですが、ボリュームゾーンは25歳から45歳までの方です。その中でも30代の方が最も多くなります。男女比では女性が若干多いです。女性のご利用方法としては、服を預けて季節によって取り出して使われる方が多いです。男性の場合は趣味のコレクションや書籍などが多く、男女で使い方が違う傾向があります。

地域で見ていくと、やはり土地代と比例して利用者が増える傾向があります。1都3県の利用者が多く、東京都は約半数いらっしゃいます。戸建てとマンションで比較すると、マンションのユーザーさんが多いです。

 

ーユーザーはどんな時に、どんなニーズでサマリーポケットを利用されるのでしょうか

大前提としては、収納しきれずにモノが溢れてしまっているという課題があるのですが、ライフイベントのタイミングで利用されています。例えば、引っ越し、出産、結婚・離婚といった生活の変化のタイミングで利用いただくことが多いです。

引っ越しの場合、地方で比較的広い間取りの住宅から、都内への引っ越しで物理的な面積が狭くなるなどの理由があります。また、シニア世代の方では、子どもが巣立ったあとに戸建てからマンションへの住み替えなどのタイミングで活用頂いています。

引っ越しを伴わなくても、お子さんが生まれて子供部屋を作る必要があったりすると、家族一人あたりで利用できる面積が減るので、その分をサマリーポケットに預けたりしています。出産のタイミングでは、お母さんの服も変化しますので、それまで着ていた洋服を預ける方もいらっしゃいます。お子さんが育つにつれ、幼稚園や保育園で作った工作など思い出の品が増えていくので、こうしたライフスタイルの変化に沿って活用いただく例が多いです。

 

ーサービス開始前に設定していたユーザー層や利用形態と、実際にサービスを開始したあとのユーザー層や利用形態の違いなどはありましたか?

ペルソナについては、日々更新をしています。当初SNSの『サマリー』を運営していた頃はアーリーアダプターの方が多かったのですが、『サマリーポケット』のユーザー層はより広いです。アパレルに興味関心の高い層ももちろんいらっしゃるのですが、例えばフィギュアの収集など、特化した趣味をお持ちの方にもよくご利用いただいています。

 

ー幅広い層に受け入れられるということは、一方でペルソナを絞り込むのが難しいと思いますが、何種類かペルソナを用意しているのでしょうか

そうですね、複数種類のペルソナを用意しています。定期的に2000人~3000人に対して調査をしていて、どういった方がどういった部分にペインを持っていらっしゃるのかを常に把握するようにしています。

 

ユーザーとのコミュニケーションについて

ーユーザーの声ということですが、ユーザーさんとはコミュニケーションをとっていたりするのでしょうか

はい、例えばユーザーインタビューなどもしています。一人あたり1時間~2時間お時間をいただいて、ユーザーさんの声を聞いてまわっています。また、ユーザーアンケートもとるようにしています。アンケートは皆さん活発に回答いただけています。

また、SNSでのコミュニケーションを重要視しています。『サマリーポケット』とつぶやいた方を全てチェックして、不満があればそれに対してフォローをしたり、良い使い方をしているユーザーさんがいらっしゃれば、『サマリーポケットジャーナル』というメディアで紹介させてください、といった声がけをしたりしています。

 

ー『サマリーポケットジャーナル』を拝見するとホリエモンなど有名人のインタビューなども多数掲載されていますね

はい、最近だとゆうこすさんなどにもインタビューさせていただきました。サービス開始当初は比較的アーリーアダプターの方を中心に使い方などをインタビューしていたのですが、最近ではより一般的な使い方であったり、ビジネスユースでの事例としてインタビューさせて頂いています。そういう意味では、発信するコンテンツは変化していますね。

 

ーサービス継続とともに、ユーザー層が変化していっているのですね

はい、サービス開始当初はスマホアプリでローンチしているのですが、2017年にはブラウザ版もスタートさせました。接点が増えたことで、比較的年齢の高い方が顕著に増加しました。

とはいえ、まだまだ55歳以上の方は取り切れていないのですが、ニーズがあることは調査から分かってきているので、そういった方にどう利用していたくかは課題としてあります。

 

価格の設定について

ーユーザー層の幅が広がった背景の一つに、価格設定もあるように思いますが、現在の価格はどのようにして設計したのでしょうか

ワンコインで収まるようにしたいという考えから、全ての箱がワンコイン以下の価格で設定されています。一般のトランクルームの4分の1以下の価格ということをうたっています。

 

吉澤 哉
プロデューサー、プランナーとして商品のブランド化・ファンの獲得を目的に各種ブランドサイトを構築。サイト制作だけでなく、イベントのプランニングを多数実施。 大手ECサイトの総合ディレクションやUI改善を担当。 イベントのノウハウで、常にリアルマーケティングを意識した制作をするプロデューサーとして支持される。 テモナ株式会社 PR担当