徐々に浸透しつつあるファッションレンタル。そんな中でも早い段階でサービスをスタートさせた『EDIST.CLOSET(エディストクローゼット)』。果たしてどのようなユーザーが利用し、どのくらいの期間継続して契約しているのでしょうか。
同サービスを運営する株式会社EDIST 代表取締役 満薗かおり様にお話を伺ってきました。
インタビューでは立ち上げ期の失敗や試行錯誤、サブスクリプション型ビジネスのメリットやデメリットについてもお聞きしています。
ーEDIST.CLOSETを始めた背景は
サービスを開始した当初はアプリやブラウザゲームの会社が母体となって開始しました。
ゲーム事業は利益が大きいのですが、当たり外れも大きい事業です。
当時、ゲーム事業以外に非ゲーム事業を立ち上げようという話がありました。
非ゲームで事業をするからには、安定した売上・利益を得られるモデルにしたい、ということで、企画に入りました。
当初はファッションメディアをやろう、という企画で進んでいたんです。
ゲームでは男性向けと女性向けがあったのですが、女性向けゲームの方が長く遊んでもらえていたことから、安定した収益になっていました。
そこで、女性をターゲットにしたサービスを立ち上げて、安定的な収益を得ようと考えたんです。
こうした背景から、SNSのファッション系メディアを開発しようとしていたのですが、既に競合が多数存在していたことや、収益化といっても広告収益しか見込めないことから、ビジネス的な広がりがない、という結論に達しました。
ただ、メディアを開始しようとして集めた「どんなサービスがあったらいいですか?」といったインタビューの中に、「日常服のレンタルサービスがあったらいいな」という声があったんです。
メディアの取材で対象にしたのが30代の女性だったんですが、「だんだん、どこで服を買ったらいいかわからなくなる」「仕事に出かけるときの服に困っている」「子どももできて自分にあまりお金をかけられない」という声があって、それに対する“あったらいいな”というサービスがいくつか出てきました。
その中のひとつがファッションをレンタルするEDISTのサービスでした。
そこからマーケットの状況などを見て、チャンスがありそうだ、と考えてEDIST.CLOSETをはじめました。
サービス開始にあたって、サブスクリプションという形式でなくてもよかったのですが、ヒアリングの内容と、小さくてもいいので安定した事業を作り上げるという会社のミッションを照らし合わせた結果、定額の会員制という形態をとることにしました。
ちょうどユーザーのニーズにも、ビジネスの伸びしろとしても、あるサービスでした。
ー3年前というと、まだファッションのサブスクがほぼ見られない時期でしたね。
サービス開始当初は、競合といえばairCloset(エアークローゼット)さんと、その他数えるほどしかサービスが無かったです。
エアークローゼットさんが先行してサービスを提供していて、無料会員が爆発的に集まっていたのは見ていましたし、一方で大手さんが全く手をつけていなかったので、新規参入できるチャンスだと思いました。
国内はサブスクリプションサービスはまだ珍しかったのですが、海外などでは事例も多数あったこともあり、ビジネスとしても成り立つということは見えてきました。
ーもともと立ち上げた会社から事業譲渡されていますが、どういった経緯なのでしょうか