企業がサブスクリプションに取り組む前に検討すべき3つの視点

商材や単価によって様々ですが、顧客が継続して利用することで損益分岐点を超え、黒字化することになります。
損益分岐点に到達する前に顧客が解約した場合、赤字ということになります。

つまり商材の契約期間によって、顧客獲得にかけていいコストが算出できることになります。
継続率の高い(解約率の低い)商材であれば、顧客獲得にコストをかけたり、無料お試しや初回値引きなどの2ステップ設計も可能でしょう。

無料お試しを実施した場合の収益のグラフは、以下のように全体的に後ろ倒しになります。

サブスクリプションで無料お試しを導入した場合のグラフ

また、無料お試しや初回値引きなどの2ステップ設計によってより効率よく顧客が獲得できた(顧客獲得単価が下がった)場合のグラフがこちらです。

無料お試しで顧客獲得単価が下がった場合のグラフ

広告施策時に2ステップ施策の効果が出るようであれば、積極的に取り入れていきたいものです。

サブスクビジネスで重要なクロスセル・アップセル

もう一つ、サブスクリプション型ビジネスで重要なのが、顧客へのクロスセルやアップセルといった働きかけです。

クロスセルは、今契約しているサービスに加えて別の商材もついで買いしてもらう施策です。

アメリカのカミソリのサブスクリプション「Dollar Shave Club」では、次回お届け時にスキンケア用品などを簡単に追加できるようになっており、カミソリのみを購入するよりも顧客単価をアップさせています。

アップセルは、今契約しているプランよりも上のプランに申し込んでもうらうことで顧客単価を上げる施策です。

エントリープラン、スタンダードプラン、プレミアムプランと3つのプランが用意されている場合、エントリープランの顧客をスタンダードプランへ、スタンダードプランの顧客をプレミアムプランへとよりヘビーユーザー化していくことで、顧客単価をあげていこうという取り組みがこれにあたります。

クロスセル・アップセルしたときの収益をグラフにしてみました。

サブスクリプションでクロスセル・アップセルをした場合

わかりやすくするため、少し極端なグラフになっていますが、顧客単価の上昇に伴って利益が段階的に上がっていくイメージです。

自社のサービスを継続的に利用し続けてくれる上、より高いプランを選んでくれたり、追加で商品やサービスを購入してくれる、まさにVIP顧客と言えるでしょう。

まとめ サブスク型ビジネスでは顧客が満たしたいニーズ・長期的な関係・関係の深め方が重要

サブスクリプション型ビジネスでは、契約に至るまでにマーケティングや営業コストがかかります。
つまり、契約時点では赤字からのスタートです。
顧客のニーズを満たしているという商品開発は大前提になります。

顧客が契約を継続してくれれば、損益分岐点を超えて黒字化する、というモデルです。

サブスクマガジン 編集部
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