【インタビュー】SNSからサブスク型クラウドストレージに進化した『サマリーポケット』

ユーザーの獲得も重要だと思いますが、契約いただいた後にいかに積極的に活用していただくかが重要だと感じています。『サマリーポケット』の場合、毎年5月・6月と9月・10月の衣替えシーズン、それから12月の年末の大掃除シーズンにユーザーさんが大きく動くのですが、このタイミングを逃さずにキャンペーンを実施して、ユーザーさんの利用を促進するような取り組みをしています。

 

さらに認知拡大のためにCM展開、さらなる認知を目指す

ー新規顧客の獲得はどのように行っているのでしょうか?

ウェブでのプロモーションに加えて、テレビCMもこの4月に開始しました。私達は、スマホ収納のトッププレーヤーだと考えているのですが、まだまだサービス自体の認知度が低いのが課題です。100人に聞くと2、3人しかサービス名を知らないという認知率なので、これを広めていく必要があります。認知さえしてもらえれば、収納に困っている人が必ず使ってくれると考えているので、今は認知をどれだけ広げられるか、というフェーズにあると思っています。

つるの剛士さんを起用したサブスクサービスのテレビCMも展開している

『サマリーポケット』ではサブスクサービスの認知をさらに拡大させるため、つるの剛士さんを起用したテレビCMを開始している

 

ーSNSサービス『サマリー』からサブスクリプションビジネス『サマリーポケット』を運営して見えてきたことはありますか?

『サマリー』はスキマ時間に楽しんでもらう側面の強いソーシャルメディアですが、『サマリーポケット』はその人の住環境と非常に密接に関わってくるサービスになっており、一度生活に入り込んでしまうと、なくてはならないサービスになります。すぐに使わないモノに家賃の高い自宅スペースを使うのはもったいなく『サマリーポケット』に預けてしまったほうが、コストメリットもありますし、生活環境もシンプルでよりよくなります。

 

サブスクリプションサービスのメリットはユーザーとの継続的な関係による事業の拡大

ー経営視点で見たときのサブスクリプションサービス『サマリーポケット』のメリットはどういったところにありますか?

今は保管をすることで収益を得ていますが、人が何を所有しているか、といったデータを持っているところが強みになってくると考えています。ユーザーの趣味趣向といったデータを蓄積している企業はたくさんありますが、その人が実際に何を持っているかというデータを蓄積している企業はまだないと思います。こうしたデータを活用した派生事業ができるのではないかと考えています。

また、ご利用頂いているユーザーさんのロイヤリティも高いサービスで、非常に継続率も高いのは事業としての強みです。先程のユーザーアンケートの反響などもそうなのですが、こちらからのアクションに対して積極的に反応してくださっています。

ワンショットのビジネスと違い、ユーザーさんと継続的にお付き合いすることで、サービス改善の声なども拾って、さらによいサービスに進化させていくことも出来ています。ユーザーさんの拡大とともに事業が拡大、改善しているのもメリットだと思います。

 

ー『サマリーポケット』の事業の成長の軸は、ユーザー数の拡大だけではなく、一人あたりの利用箱数の拡大もあるんですね

そうですね、布団クリーニングなどの付帯サービスもそうですし、さらに預かり品の安心保証を充実させたり、ユーザーさんの声を拾って既存顧客を飽きさせないサービスを常に追加しています。

何か新しいサービスを追加した際には、ユーザーさんにお知らせをするのですが、非常に反応がよくて、打てばすぐ響いて返ってくるという印象を受けています。一見すると、長期間預けるサービスなので、コミュニケーション頻度が低いサービスに見えるかも知れませんが、ユーザー視点で考えていくとお金を払って預けているので、決して不要なモノではないんです。頻繁には使わないモノであっても、断捨離の対象にはならない、愛着を持った思い出の品であったり、季節に応じて活用するモノであったりします。

 

ー定期契約やサブスクの中には、ユーザーが契約していることを想起させないことで利用期間を引き伸ばすサービスもありますが、それとは逆のアプローチをしているということでしょうか

はい、長期間モノを預かるサービスでありながら、ユーザーとのコミュニケーションは積極的にとっています。一つは従量という課金体系もあります。便利さを感じて利用してもらえればもらえるほど、収益が上がる仕組みです。

また、ジムやコンテンツ・サービスのような、利用していない間にも課金がされるようなサービス体系ではないのも大きな違いだと思います。費用を支払って預けている間は、自分の部屋をより有効に活用できる。それを解約すれば、再び部屋に荷物が戻ってくる、というわかりやすいサービスだと思います。

 

ー今後さらにブラッシュアップしていきたい点は

今のサービスだと、配送が最短翌日なのですが、当日配送にも対応していきたいと考えています。また、箱に入り切らない大型のモノを預けたいといったニーズも強いので、自社配送を整えて、まずは都内からトライアルサービスを開始していくといったことも考えています。

サブスクマガジン 編集部
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