[インタビュー]サブスクは甘くない、家具業界の革命に挑戦する『サブスクライフ』

デザイン性・機能性に優れた家具を、毎月定額のサブスクリプションで提供する「サブスクライフ」。
今回は「サブスクライフ」を運営する、カマルクジャパンの代表、町野健氏にインタビューを行いました。

家具とサブスクモデルを組み合わせて住環境をよりよくしたい

 

- サブスクライフはどんな経緯で誕生したのでしょうか

きっかけとしてはアメリカのイベントに参加したときです。
非常にサブスクリプションが盛り上がっており、日本でもこれからサブスクリプションの波が来るなと感じました。

感覚的には、アメリカは日本より1年はサブスクリプションが進んでいると思います。
日本でサブスクリプションビジネスをやる、というと「新しい」という取り上げられ方をしますが、アメリカのベンチャーだともはやサブスクリプションはスタンダードな手法になっていました。

家具のサブスクリプリョン『サブスクライフ』町野氏

家具のサブスクリプション『サブスクライフ』を提供するカマルクジャパン代表 町野氏

 

一方で弊社は家具のビジネスを行っていたので、“サブスクリプション×家具”でビジネスができるのではないか?と検討したのがきっかけです。
検討した結果、ビジネスとしても成り立つことが見えてきたので、2018年3月にベータ版のサービスを開始しました。

その頃、私が引っ越しをする際に、家具の店舗をまわって家具を見ていたのですが、いいなと思う家具が非常に高いんです。
デザインや機能性の高い家具を買おうとすると、途端に値段が上がるんですよ。
しかも、一度買ってしまった家具はそうそう買い換えることが出来ないことを考えると、二の足を踏んでしまいます。

価格を安く抑えようとすると、あまり心の動く家具が見当たらない。
種類も限られてしまうんです。

その体験を通して「家具選びは不自由だな」と感じました。

逆に、家具をサブスクリプション化することで、デザインや機能性の高い家具を手に入れやすくなるな、と考えたんです。
住環境やオフィス環境を少しでも良くするサービスが出来るのではないか、と考えました。

日本初の家具のサブスクリプションに大きな反響が

 

- 3月にベータ版のサービスを開始、7月には法人サービスを開始されていますが、反響はどうでしたか?

日本で初めての家具のサブスクリプションサービスということで、大きな反響がありました。
法人サービスについても反響がありました。
8月以降には新聞にも掲載され、たくさんのお問い合わせをいただきました。

個人と法人のお問い合わせはおおよそ半々で、法人向けもニーズが大きいということが分かりました。
会員数は現在でも、想定を上回るペースで伸びています。

9月には正式サービスとして、スタートを切りました。
「サブスクライフ」開始に伴って、ページもリニューアルしました。
課金体系も気に入ったら買取可能にもできるなど、このタイミングで微調整をかけました。

 

- 自社ブランドに加え提携ブランドの家具をラインナップされていますが、どちらに注力されているのでしょうか

両方注力しています。
家具のバリエーションが無いとユーザーさんが選べないので、自社ブランドだけでなく、提携ブランドの家具のラインナップも増やしています。

提携先は、デザイン性・機能性に優れたブランドを厳選しています。
これも、お客様に満足頂くための取り組みです。

 

- 3ヶ月無料のモニターキャンペーンを設計した意図はどんなところにあるのでしょうか

やはり、利用者の声を積極的に集めていきたいという意図があります。
ユーザーさんに実際に使ってもらって、実際の声をSNSに投稿してもらうことで、利用シーンやサービスに対する声を積極的に集めています。

 

サービスインから3ヶ月で見えてきたこと

 

- 契約期間は3ヶ月から24ヶ月まで選べますが、申し込まれる月数は平均でどの程度でしょうか

12ヶ月が多いです。
ユーザーさんによってかなりばらつきがあるのですが、傾向として多いのは12ヶ月です。
6ヶ月というユーザーさんもいれば、7ヶ月といったユーザーさんも意外といるんです。

契約終了後の継続率については、まだサービスインしてから3ヶ月ということもあり、まだ見えていません。
今はお申込みされたユーザーさんのお宅に、家具が届いて使い始めているという状況です。
これからサービスを続けていく中で、どのくらい継続するかが見えてくると思います。

同時に、どのくらいのユーザーさんが家具を買い取るか、といった割合も見えてくると考えています。

 

- ユーザーに継続してもらう取り組みは何かしていますか?

今はまだしていなくて、まずはユーザーさんを増やすフェーズです。
ただ、これからは継続してもらう仕組みを取り入れていく必要があると考えています。

 

- サブスクライフを利用するユーザー層はどういった方が多いのでしょうか

これは、今のところ本当にバラバラです。
年齢も地域もバラバラです。

例えるなら、ZARAやH&Mなどのブランドを購入している層もバラバラだと思うんです。
あらゆる層が買っているという状況だと思います。
ペルソナが仮にあったとしても、実際のところは顧客層はかなり幅広いのではないでしょうか。

サブスクライフにも同じ事が起こっていると思っています。
家具は、どこの家にも必要なものです。
なので、特定の層だけがサブスクライフを利用しているということはないようなんです。

契約いただいている法人についても、ベンチャー企業から大手まで、会社規模は様々でした。
地域も、都内中心かと思っていたのですが、北海道から沖縄まで日本全国から申し込みがあります。

 

サブスクビジネスは顧客のための仕組み。そんなに甘くはない

 

- サブスクライフを初めてみてよかったことはありますか

これはやはり、デザイン性・機能性に優れた家具を買いたいと思っていたのに、安い家具で仕方なく我慢していたという人に解決策を提示できたことに尽きると思います。
サブスクライフを使うことによって、ちょっといい家具をお手軽な値段で使い始めることができる。
そこがサブスクライフの価値だと思います。

利用者からも高い評価を頂いています。
「引っ越す予定だったので、3ヶ月だけ借りたかったので助かった」
「質の高い家具を手頃な価格で使うことができた」
など、満足度は非常に高いです。

 

- サブスクリプションモデルをとってよかったことはありますか

ソフトウェアのサブスクリプションなら単純にユーザーが増えていけば利益も積み上がるかも知れませんが、モノのサブスクリプションは慎重な経営が必要です。
そう甘い世界ではありません。
製造でも仕入れでも、コストがかかる。

ユーザー視点で見ればメリットが大きいモデルですが、事業者側から見ればリスクが大きいビジネスでもあると思います。
なので、サブスクリプションはあくまでユーザーさんのため。
事業者側はそのためにリスクをとって、サブスクリプション形式を選択する、という考え方だと思っています。

なので、安易にサブスクリプションを取り入れてしまうのは、気をつけないといけないと思います。
撤退する企業も散見されるようになってきましたが、サブスクリプションだからビジネスがうまくいくとは限らないんです。
そこまで甘くないというのが、モノのサブスクリプションビジネスです。

 

サブスクを、家具を買う時の当たり前の選択肢に

 

- サブスクライフの今後の展開は

家具のサブスクリプションは、まだまだマイナーな買い方です。
まだほとんどの人が体験していません。
これをいかに一般化するかだと考えています。

この一点を愚直にやっていくのが私達の使命だと思っています。
3ヶ月サービスを運営していて、手応えは感じていますが、家具の購入体験を変えるには時間はかかると思います。

かつては洋服をネットで買う、という文化すらなかったのに、今では当たり前のようにネットで洋服を買っています。
10年前までは「実際にものを見ないと誰も買わない」と言われていたのに、顧客の購入が変化しているんです。

家具を買うか、サブスクにするか、という選択肢として当たり前に挙がってくる世界にしたいですね。

- ありがとうございました

家具のサブスクリプション『サブスクライフ』
家具のサブスクリプション『サブスクライフ』『サブスクライフ』は、家具1点から月額定額で利用できるサブスクサービス。
家具のレンタル期間は3ヶ月から24ヶ月まで柔軟に設定できる。
個人・法人にも対応し、最近ではスノーピークとの提携など家具ラインナップを拡大。

サブスクライフ:https://subsclife.com/

ニュースレター登録
杉山拓也
大手SIerを経て、ベンチャー企業にて複数のB2Bメディアを立ち上げる。 その後アプリマーケティング会社を立ち上げ、500以上のアプリマーケティングを支援。サブスクリプション型のビジネスを通して継続的にユーザーとコミュニケーションする重要性を体感する。 サブスクリプションマガジン編集長。