若き起業家が挑戦する家具のサブスク『airRoom』サブスクの先にあるシェアリングエコノミーへの挑戦

一方で2つ目として、これは他の家具レンタルと違うのが、僕らは価格競争を望んでいないという部分です。価格競争で安さだけを追求していったときに、家具の場合は製造にしても仕入れにしてもどこかで価格が揃ってくると思います。そういう戦い方はしないつもりです。

例えば、24ヶ月後の引っ越しのサポートまでします、であったり、月に1回ハウスクリーニングが入ったりという、単に家具を借りるだけでなく他の付加価値をつけることで差別化を図っていくつもりです。

家具の高級化など差別化のポイントはいろいろあると思いますが、僕らのターゲットにしているミレニアム世代はそこまで家具にこだわりがあるわけではないので、生活の不便を解消するという部分にフォーカスしています。

配送をあえて自前で行うことで唯一の顧客接点を重視

ー現在の価格設定だと、配送料が込みになっているんですが、家具は配送料や組み立て費用が高いのではないでしょうか

2つあって、家具レンタルマーケットはまだ黎明期なので、どれだけユーザーに使ってもらえるかにコミットをする必要があると思っています。それに対して赤字をどれだけ掘ろうと関係ないと考えています。なので、配送料はとっていません。

もう1つは、配送を自社で行っています。配送を外注した場合、サイズによって異なってきますが4,000円ならずっと4,000円かかってきます。僕らの場合、配送を内製化しているので、時と場合によって2,900円になったり、効率化することで配送料を最適化していくことができます。

プライシングにも関わってきますが、最適化されたところで請求していくように変えていく可能性もあります。

配送の内製化については、一度、外注しようと考えたこともあったのですが、配送をやってみた結果、配送の現場で「今届いたソファに合う家具ってほかにないんですか?」みたいなコミュニケーションが発生しているんです。

家具の場合、そこまでコンタクトできるポイントが多くないので、配送というコンタクトポイントでUXを高めることで価値を提供できると考えています。外注という手段もありますが、今の段階から配送を内製化していってデータを蓄積していくことで、中長期で見ればペイしてくるだろうと考えています。

 

ー配送が自前ということは家具の保管場所も自社で用意しているんでしょうか

はじめは家具の仕入先に保管されているものをお届けしています。戻ってきたものが自社で用意している倉庫に入ります。

想定していなかった家具の新しい使い方を発掘

ーサービスを始める前と、実際に始めてみて想定と違った点はありましたか?

買い切り型だととれなかった層がairRoomで契約してくれているというのはあります。

チャーンレートが高くなった出来事があって、昨年12月に一時的にチャーンレートが上がったんです。クリスマスや年末年始で、一時的に人が特定の住環境に揃う時期なんですが、そのタイミングで椅子が足りないから借りようと。当然、使い終われば返すことになるので、チャーンするんです。ただ、この現象は家具を購入するだけの世界では起こらなかった現象だなと思っています。

こういった、想定しなかった新しい使われ方をしたのは、airRoomをはじめてみてわかったことです。

自身と同じミレニアム世代へシェアリングエコノミーを広げていく

自身と同じミレニアム世代へシェアリングエコノミーを広げていく

 

ユーザーの面で言うと、個人と法人があって、個人なら25歳~34歳がボリュームゾーンで20代が契約者全体の60%を占めています。30代は20%という状況です。男女比で見ると6:4で男性のほうが若干多いです。

法人はマンスリーマンションや不動産仲介、民泊やシェアハウスといったところが利用しています。

個人と法人の比率は現在半々くらいです。

 

ーairRoomのイメージ動画だと、女性がターゲットのように見えますが

どうブランディングしていくか?を考えたときに、女性がオピニオンリーダーだと思っていて、そこの層をどうやってとっていくかを考えました。彼女たちが使っていて、満足している世界観を見せたかったんです。

吉澤 哉
プロデューサー、プランナーとして商品のブランド化・ファンの獲得を目的に各種ブランドサイトを構築。サイト制作だけでなく、イベントのプランニングを多数実施。 大手ECサイトの総合ディレクションやUI改善を担当。 イベントのノウハウで、常にリアルマーケティングを意識した制作をするプロデューサーとして支持される。 テモナ株式会社 PR担当