[インタビュー]黒字化を果たしたファッションのサブスク『メチャカリ』店舗では獲得できなかったユーザー層を取り込むメリット

テストは申込みに対する抽選で行いました。
お客様を数万人セグメントした上で、メチャカリのテストを告知して申し込んでくださった方を対象としています。

テストの時点では5,000円という価格で設定していましたが、テストの結果、現在では5,800円の価格設定にしました。

ー新品のみのレンタルにした意図とは

ターゲット層の声を聞くと、中古の服は抵抗があるという声が多くありました。ファッションのサブスクリプション自体が新しいサービスですし、お客様に安心してご利用いただくために新品にしました。
また、新品の場合は新作をそのシーズンにご利用いただけるというメリットもあります。
中古の服を貸し出したとすると、人によって匂いやシミなどの感じ方が違うと思います。
貸し出した服に不備があると、お客様の満足度は確実に下がります。品質管理の体制を組もうとすると莫大な費用がかかることもあり、新品に限定しました。

普通サブスクリプションの場合、使いまわした方が儲かるでしょ、と思うかも知れませんがそうでもないんですよ。
そのうちロスも出るし、全部が全部再生出来るわけではないし、再生コストもかかる。

あとは、レンタルした服は買い取れるので、2回も3回も貸し出された服はそもそも買われなかった服という事になります。

キャズムはまだ超えていない、さらに市場を拡大する必要がある

ー1ヶ月無料体験を設定した背景は?

無料体験は、2016年の3月から設定しています。
世の中に誰も体験したことがないサービスなので、まずは広く使って欲しいという意図で設定しました。
もう1つは、ユーザー拡大のためでもあります。

そうしないと、このマーケットは無くなってしまうと思うんですよ。
まだキャズムは超えていないと思っているので。

ーメチャカリの認知度が37.2%と競合他社と比べて高いですね

比較してしまうと高いのですが、まだまだだと考えています。

37.2%というのは助成想起での調査結果なんですが、純粋想起だと10%くらいしかないんですよね。
純粋想起で30%くらいいくと「ユーザーに浸透してきた」と思えます。

そのくらいファッションのレンタルというものがまだ浸透していないんです。

キャズムはまだ超えていない、と語る澤田氏

ーマクロミルの調査結果を記事にしたんですが、サブスクサービスの認知度の上位はほとんどデジタルコンテンツ系でした

記事:「サブスクサービス、利用経験は35%。サブスクを知らない人は32%(マクロミル調べ)」
https://subscription-mag.com/knowledge/subscription-research/

私もその記事を拝見したんですが、ファッションのサブスクは7%くらいしか認知がなくて、まだまだ認知率が低いと思っています。

音楽や動画は認知率が50%を超えてるんですよね。
私の肌感ともあっていて、ファッションのサブスクはまだまだこれからだと思っています。

3ヶ月継続して使ったユーザーは長く使う傾向がある

ー利用するユーザー層はどういった方でしょうか

吉澤 哉
プロデューサー、プランナーとして商品のブランド化・ファンの獲得を目的に各種ブランドサイトを構築。サイト制作だけでなく、イベントのプランニングを多数実施。 大手ECサイトの総合ディレクションやUI改善を担当。 イベントのノウハウで、常にリアルマーケティングを意識した制作をするプロデューサーとして支持される。 テモナ株式会社 PR担当