[インタビュー]黒字化を果たしたファッションのサブスク『メチャカリ』店舗では獲得できなかったユーザー層を取り込むメリット

当初は既存のお店に来ているお客様と同じようなユーザー層を想定していました。
店舗とカニバリを起こすかなと考えてもいたんですが、実際には当社の顧客層とは違った方が使っていらっしゃいます。

服が必要な層、例えば20代後半の都心のワンルームマンションに住んでいる会社員で、バリバリ働いている、ファストファッションを着て半年くらいで次の服を買っている、といった方が利用しています。
クローゼットが、要らなくなった去年の服でパンパンになっているので、メチャカリをみつけて「これは効率的だ」ということで使っていただいているケースもあります。

あとは、30代前半のママさんで、ショッピングセンターなどに行くんですが自分の服を選んでいる暇はないし、子どもにお金がかかるのであまり自分の服にはお金をかけたくないという方。
たまにはママ会もあったり、ご両親に挨拶に行くときもある。
そういったときに5,800円で手軽に、新品の洋服がクリーニングなしで借りられるというのが便利なようです。

服が第一というよりは、仕事や家事、育児などが忙しく、ファッションにはあまり時間を避けないけど、おしゃれには気を付けたいという方に使って頂いているようです。

結果的に、店舗とのユーザー層のカニバリは30%程度で、70%は新しいユーザーでした。
それは会社としてすごくポジティブに捉えています。

ーユーザーはメチャカリをどのくらいの期間継続して使うのでしょうか

継続率は公開していないのですが、3ヶ月継続すると、その先の継続率が高いということは分かっています。
長い方は事業開始から3年数ヶ月使っている状況です。
事業を続ければ続けるほど、継続しているな、という感じです。

なので平均値をとると、どんどん継続期間がのびている状況です。
サブスクリプションの場合、契約が継続していかないと会員数は増えていかないですから。

ーユーザーに継続してもらうための取り組みは

その人が借りたいと思う商品があるかどうかに尽きるかなと思います。
デジタルコンテンツでもそうですが、見たいコンテンツがあるか、聞きたい曲があるか、が重要だと思います。
ファッションのサブスクリプションの場合、魅力的な洋服があるかが、継続率を左右しています。

今、1万種類以上の服を扱っています。
その供給をし続けるということ、その中からユーザーが自分が欲しいアイテムに出会えることがポイントになってくると思います。
まず、商品のバリエーションを増やしたり、今あるものをキープしたりして総量を増やしています。
また、昨年、パーソナライズチャットボットをリリースし、その人ごとに適切な商品を提案する仕組みを導入しました。

メチャカリでもパーソナライズをしていくんですが、ネットフリックスでもユーザーによってレコメンドが変わっていますよね。

そこをさらに強化していけば、無理に商品を増やさなくても満足度は上がると思います。
今後はそういう方向に向かっています。

ーチャットボットで得られたユーザーデータをレコメンドに活用するのでしょうか

今、チャットボットでデータを蓄積していて、今後それを最適化して活用していく予定です。
今のところは、いくつかのシナリオが組まれていて、適した商品をレコメンドしていますが、今後は集まったデータを活用していきます。

サブスクマガジン 編集部
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