今回はサブスクリプションコマースの中でも、クラフト工芸・DIY素材を毎月お届けする「Brit+Co」Incをご紹介しましょう。「Brit+Co」は、how to動画・レシピと共に手作りするための素材を宅配するアメリカ発のECサイトです。2011年末に創業以来、順調に成長しており、今では月に1000万人の方に商品を届けています。
公式サイトを見ていただくと、「Helping ingnite the creativity in you」というキャッチフレーズが目に飛び込んできます。さらに、一見してクラフト業界とはわからない非常に色鮮やかなトップページが目を引きます。これを見ただけで、今までの「クラフト」とは、どこか違う、何か新しいことがあるのだろうと想像させてくれるものになっています。
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「Brit+Co」では、Brit Kitと呼ばれるボックスの中に、ジュエリー用品、工芸品、インテリア品の素材を、デザイナーや工芸作家が作成したレシピと共に届けています。
欧米では、DIY(Do It Yourself)文化が非常に定着しており、「自作すること」に非常に人気がある一方、なかなかその時間がないと言った声が多く聞かれます。そのため、作り方と材料の両方が揃っている「Brit+Co」に人気が集まっているのです。消費者は、商品そのものを買うというよりも、「自分で創造性を活かして、実際に手を動かし作るという体験」を買っている、とも言えるでしょう。
具体的なサービスとしては、月額19.99ドル(約2120円)で、レイアウトやリビング品から、食品など様々な手作り素材が届くプランがあります。DIYに特化したプランでは、スターターキットとして、月額29.99ドル(3300円)から工芸品を作る用具を合わせて素材が届くプランがあります。
作成時間はおおよそ30分で、レシピ通りに作れば、プロさながらの工芸品が自ら造作出来るようになっています。
「Brit+Co」には、リビング、インテリア、料理、クラフト工芸品などのカテゴリーに加え、テクノロジーのカテゴリーもあります。そこでは、さまざまなニュースや手作りのノウハウが紹介され、サイトを通じて非常に現代風な作品が提供されているのです。
これらの作品はデザイナーや工芸作家がプロデュースしたものというところも魅力のひとつであり、消費者はクラフト素材や、宝石物、アクセサリーなどを専門家から買えるように仕組み化されているのです。
Brit+ Co.の収益は、現在のところ実際の売上以外に大手メディアなどとのパートナーシップから得られているところも多いようです。創業者のモーリンは、人気テレビにゲスト出演したり、それ以外にもインテル、3M、Youtubeなど、そして日本企業だとニコンやユニクロなどの企業とも提携したりしています。創設してまだ5年未満にもかかわらず、その革新性から大きく拡大を図っているのです。
Brit+ Co.では、SNSの活用促進も行われています。届いたキットを使った作品の写真が、ユーザーが投稿するということが多く行われています。非常にスタイリッシュで、現代的な作品が多く、ネガティブな意見も含めてユーザーの声は全て公表されているのです。その潔さも、消費者が信頼する理由のひとつとなっていることでしょう。