サブスクリプションの成功の秘訣はオンブ!?失敗事例にも照らし合わせてみる

カミソリのサブスクリプションTOKYO SHAVE CLUB

果たして「Tokyo Shave Club」のサービスでは何が足りなかったのでしょうか。
お得、悩み解決、便利の3点から考えてみます。 お得の視点で見てみましょう。

同サービスは6枚刃の替え刃3つが毎月送られてくるプレミアムプランが月800円、4枚刃の替え刃3つが毎月送られてくるスタンダードプランが月600円、2枚刃の替え刃4つが毎月送られてくるシンプルプランで月100円、という価格設定でした。

Amazonで替え刃を調べてみると、Shickの5枚刃(本体+替え刃17個付)が2,990円でした。(2018年12月現在)
本体を除くと替え刃1枚あたりの単価は約176円になります。
替え刃3つでも527円という事になり、「Tokyo Shave Club」の4枚刃1ヶ月分よりも安価に5枚刃が購入できることになります。

あまり金銭的なメリットはなさそうです。

お悩み解決の視点で考えてみると、顧客のどんな悩みを解決するのか、こちらもやや曖昧です。
カミソリは常に新しいものを使わないと、肌を傷つけてしまう、という問題はあります。
カミソリ負けというお悩みは確かに存在しているはずです。

とはいえ、果たして月3回替え刃を取り替える人はどの程度いるのでしょうか。

同サービスを継続するためには、顧客のカミソリに対する教育や啓蒙も必要です。

便利の面では、同サービスは宅配を受け取らなくても毎月ポストに商品が投函される、という利便性があります。
あるいは、わざわざスーパーやホームセンターに買いに行かなくても、待っていれば届く、というのも便利です。

ただ、先に述べた替え刃17個セットなどを週末に買ってしまえば、当面はもう買う必要がなくなってしまうので、便利さという面では顧客のメリットが薄いように感じます。

まとめ サブスクリプションを成功させるONB(オンブ)を今一度見直してみよう

このように、サブスクリプション型ビジネスでは、お得、悩み解決、便利の3つがポイントになります。

お得・・・そのサービスは製品を購入するよりもお得なのか?あるいは定期購入に踏み切るだけのお得感があるか?

悩み解決・・・顧客が持つ悩みとは何か?提供しようとしているサービスはその悩みを解決するのか?

便利・・・そのサービスの利便性は何か?顧客はそのサービスのどこに利便性を感じるのか?

サブスクリプション、つまり定期購入は顧客に毎月固定費が発生します。
この障壁をどう乗り越えて、顧客を契約にまで至らせるか?サービス設計や、価格設計(プライシング)もキモになってくるでしょう。

サブスクマガジン 編集部
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