[インタビュー]電動自転車をサブスクで気軽に!事業転換でたどり着いた『NORUDE』は既存事業を伸ばす動力源

電動アシスト自転車市場は拡大傾向にあり、子供の送り迎えや健康維持などの目的・需要に対応したラインナップも増えています。価格帯としては8万円〜15万円ほどで、人気の車種だと10万円前後。気軽に購入できる金額ではありません。この電動アシスト自転車のサブスク化を実現したのがサイクループ株式会社が提供するサービス『NORUDE(ノルーデ)』です。

電動自転車の中古流通市場を作るという大目的のもと、サブスクビジネスを既存ビジネスの一部として組み込んだことで、事業の可能性を広げているサイクループ株式会社。
今回は、サイクループ株式会社綿谷 泰宏(わたたに やすひろ)様に、中古医療機器を販売していた会社が、電動アシスト自転車のサブスク事業を始めるに至ったきっかけや苦労、今後の展望を伺いました。

サイクループ株式会社綿谷泰宏様

欲しいけど手が出ない、を解消した電動アシスト自転車のサブスクサービスNORUDE(ノルーデ)

ー 「NORUDE」サービスについて教えて下さい

電動アシスト自転車のサブスクリプションサービスです。
新車をご希望の契約期間、定額でご利用頂けます。
保守メンテ費用と傷害・賠償保険は月額に含まれているので安心してご乗車頂けます。

そもそも電動アシスト自転車は利用する期間が決まっていることが多く、また、バッテリー消耗の問題から必要な期間だけ賢く乗ることがおすすめの商品です。

 

ー どのような悩みを抱えたお客様をイメージしていますか?

「電動アシスト自転車が欲しい。どうせなら高性能な最新モデルを。でも値段が… 」
「子どもが大きくなったら前後子ども乗せタイプは乗らないだろうし、買うのはちょっと… 」
「通学用に欲しいけど、卒業したら乗るかどうかわからないし…」
「バッテリーの寿命は3年くらいだし交換すると3万以上するし、高くつくなぁ… 」
といった、悩みをお持ちの方にぴったりですね。

 

ー このビジネスを始めるに至った背景について聞かせてください

電動アシスト自転車のサブスクを始めるに至った背景でポイントは2つありました。

今まで中古医療機器、中古産業機械などを個人向けに提供するビジネスをしていましたが
毎月頑張らないと売上が上がらない。恒常的な課題ではありますが売上が安定すればいいなと常々思っていました。これがひとつ目のポイントです。

そんな中、中古電動自転車の取り扱いも始めました。
電動自転車の市場規模としては新車で年間80万台。
電動自転車がほしいけど手が出せない層がいて、潜在ニーズは3倍くらいの年間240万台の市場があると仮説してここを狙っています。電動自転車の裾野を広げているイメージですね。

電動自転車は利益率が高く、取り扱い数を拡大したいという思いに反し、中古車体に関してはなかなか入荷されない。需要に対する供給が伴っていないことに気づき、「なんとかして安定的に中古車体を仕入れたい」と思うようになりました。

この中古電動自転車事業の売上を安定させるためにはどうしたらいいか?
それなら自分たちで中古の電動自転車をつくればいい。
これがふたつ目のポイントです。

まだ世の中に”サブスク”が浸透する前ではありましたが、新車をサブスク提供で原価回収し、中古で販売する戦略にたどり着きました。

2020年3月にサービスを開始していますが、構想段階からテストマーケティング実施を含めると約3年かかりましたね。

NORUDE倉庫・作業風景

 

ー 一番苦労したことについてお聞かせください

資金調達ですね。

2017年から構想を始めたのですが資金調達のため銀行に相談した際に「そもそもサブスクってなんなの?」「レンタルとかリースじゃないの?」と言われたり、ビジネスモデルの理解をしてもらうのにも苦労しましたね。

その上で「じゃあ、どれくらいの市場ニーズがあるのか」と突っ込まれました。

1台あたり約10万円の原価がかかりますので、数百人のお客様への供給を想定すると仕入れコストとしては月間数千万円になります。
テストマーケのために10台くらいだったらまだ話は別ですが、サービスが稼働して毎月継続供給となると億単位の資金調達が必要になりますから、市場調査は必須でした。

 

ー ここからテストマーケが始まったんですね

はい。
最初は自己資金で調達し1年くらいテストマーケをしまして、その実績と事業企画書を提示し無事に融資をして頂けることに。今では普通に資金調達できてきます。

ハード系の高額商品は調達コストがかかるので最初は苦労します。

サブスクマガジン編集部
サブスクマガジン編集部は、日々サブスクリプションビジネスに役立つ情報を発信しています。