また必要になったときに、新規であらためて契約する必要がなく、簡単な再開手続きだけで従来どおりの契約を続けてもらえるため、新規顧客獲得を一からやり直す必要もありません。
2つめがダウンセルです。
「思っていたよりもサービスを使わなかった」「提供されているシステムの機能を使い切らない」と感じたとき、それならいっそやめてしまおうか、と考える顧客も多いと考えられます。
そんなときに、今顧客が使っているプランよりも低いプランを提示することで、顧客にフィットした選択をしてもらうダウンセルが有効な場合があります。
顧客にとっては、自分に合った量や機能をコストをさらに抑えて利用し続けられるというメリットがあります。
企業は売上は落ちますが、顧客の満足度を下げずに関係性を維持し続けることができるというメリットがあります。
新たなオプションが開発できたときに、ダウンセルした顧客に対してアップセルする、ということも可能になります。
顧客への利用休止やダウンセルの提案は、ウェブサイト上で行われるかもしれませんし、コールセンターで行われるかもしれません。
それでも顧客が解約したい、という意思を表明したときには、解約する顧客について出来るだけヒアリングしてペルソナを立てましょう。
サブスクリプション型サービスの多くは、契約期間中に顧客と何らかのコミュニケーションをとっているはずです。
コンシューマー向けであれば、使い心地はどうか、効果を実感できているか、不満な点はないか。 ビジネス向けであれば、使い方でわからないところがないか、ビジネスの役に立っているかなど。
デジタルコンテンツでは、ユーザーの行動を分析してレコメンドすることで利用率を上げて、顧客の契約を維持しようとしています。
それでも解約に進むということは、今とっている継続のための施策に何らかの穴があると考えられます。
例えばデジタルコンテンツであれば、どんなにレコメンドしてもそもそもサービスのサイトやアプリを訪れないのであれば、プッシュ型のアプローチを強化することで利用を促すことができるかもしれません。
経済的な事情であれば、いま広告プロモーションでターゲットとしている顧客の世帯年収や可処分所得にズレがあるかもしれません。
無料期間やお試し期間での離脱であれば、期間終了後に提示するプランの敷居が高すぎたり、お試し期間の内容が豪華すぎる可能性もあります。
恐らく、顧客に解約の理由を直接たずねても「使わなくなったから」くらいの答えしか帰ってこないでしょう。
既に解約を心に決めた顧客が、懇切丁寧に解約の理由を教えてくれるのはごくまれです。
出来るだけ素早く解約して終わらせたい、というのが本音なのです。
解約者のペルソナを立てることで、具体的にどういった顧客がどのタイミングで解約するのか?が明確になり、広告プロモーションのターゲットを見直したり、お試しプランを見直すなど、具体的な改善施策に結びつけることができます。
サブスクリプション型サービスにおいて、故意に解約しづらくするような行為は顧客との関係を悪化させてしまうので、避けるべき手段です。
解約を希望する顧客の中にも、一時的な利用休止やダウングレードで関係を維持してくれる人もいるでしょう。
その人にとって最もフィットしたプランが提示できるのがベストな関係づくりとなります。
また、関係が続いてさえいれば継続利用率は高まりますし、アップセルやクロスセルの可能性も残ります。
それでも解約する場合には、サービスの何がフィットしなかったのか?顧客についてのヒアリングを行い、解約ユーザーのペルソナを立てることをおすすめします。
サービスによっては、3ヶ月、6ヶ月、1年、など契約期間で解約の波があるかもしれません。
ペルソナと解約周期がわかってくれば、それに対する対応も見えてきます。
解約する顧客も重要な情報源です。 解約となっても、関係性を維持することが重要です。