【インタビュー】小売からサブスクへ転換『leeap』が見たサブスクの最大のメリットとは

そうですね、leeapでいうとLINEでのコミュニケーションが主軸になっています。

 

ー継続率を上げる取り組みはされていますか?

私達の場合、コーディネートを提案しているという事もありますので、最適なコーディネートを提案出来ているか、というのもありますし、さらに分解していくと一つ一つのアイテムの満足度もきちんと担保出来ているかも重要です。配送についてもきちんとお客様に満足いただけているかが継続率と関連していると考えています。

また、料金プランについても同じくです。ユーザーが解約してしまうきっかけになってしまっていないのか、全セクションがユーザーの継続について考えています。

 

ースタイリストがコーディネートするファッションのサブスクリプションの場合、ユーザーの好みとのマッチングが重要とよく耳にしますが、leeapさんで工夫している点はありますか?

LINEを使ったコミュニケーションを大事にしています。初回のコーディネートはもちろんですが、複数回使っているユーザーさんとのコミュニケーションも非常に重要です。会話を通して好みをすり合わせるところが強みだと考えています。対話内容については、常にブラッシュアップしています。

 

ー継続率はどのくらいでしょうか

サービスが3年経っていないくらいのサービスなので、継続率についてまだ正確な数値は語れないと思っているのですが、衣食住の衣の部分なので、長く使ってもらえるサービスだと考えていますし、実際に長く使って頂いています。

逆に言うと、早めに解約してしまうユーザーも一定層いらっしゃいます。ファッションレンタルサービスというのは、どう使えば自分の生活に馴染むのか?がまだ確立していない分野だと思っています。まだまだユーザーさん側でもどうやってファッションレンタルを生活の中に役立てていこうか試行錯誤にあるのではないでしょうか。

レンタカーを借りるときなどは、どんな時に借りたら便利なのか?といったことはそれなりに理解されていると思うんです。クルマは持っていないけど、みんなで旅行に行く時に一人3,000円出せばクルマが借りられるから便利だね、といった感じで。

ファッションレンタルサービスの場合、自分の生活に取り入れたらどんな風によかったのか、ということをみんなが語れるかというと、まだ語れる状態にないんです。そうなった時に、新規性のあるサービスなので違った価値を求めて入会してしまった、というユーザーさんは一定層いると思います。思っているサービスと違った、という理由でやめるユーザーさんはいらっしゃいますね。

 

ー思っているのと違ったというと具体的にはどういうことでしょうか

いつまでもあるのが、「好きなものが何でも借りられると思った」というのがあります。あのブランドの今シーズンのこのセーターを貸して欲しい、みたいな要望です。それは対応がさすがに難しいです。

私達としては、自分で服を選ばなくてもいい、という部分を価値にしているので、ピンポイントでブランド指定などがあると根本的にニーズが違うことになってしまいます。こうしたミスマッチの解消のためには、本来であれば会員登録前にお伝えしなければならないんです。早々に退会される方はほぼミスマッチです。

ある程度長く使ってやめられる方の場合は、ざっくり言うと、生活に合わなくなった、という理由が多いようです。どういうことかというと、引っ越しがきっかけになったり、結婚がきっかけになったり、仕事を変えたことによって服装が変わったりといった場面で退会があります。

先程触れましたが、LINEでユーザーさんとコミュニケーションをしているので、なぜユーザーさんが退会に至ったかまでが分かるようになっています。こうした情報が我々の財産だなと感じています。

 

価格はユーザーの期待する価値とのマッチングで妥当性が決まる

ー価格設定について、7,800円/月のカジュアルプランと、13,800円/月のジャケパンプランがありますが、当初どのように設計されたのでしょうか

まずは原価をベースにして、最低ラインを設計しました。アイテムの仕入れにどのくらいかかって、減価償却がどのくらいで、というのがまずはベースになっています。あとは、付加価値が価格に乗ってくるんですが、3年前には他に基準もないので、ある程度えいやで決めた部分はあります。今となっては明確にわかっていることなのですが。

 

ー価格の改定などは過去にされたのでしょうか

プランを設計して出したときから変更はしていないですね。ただ、サービスの内容、具体的にはレンタルする服の数量などは調整をしています。

提供価格が最適か?ということは常に考えていて、変更したほうがいいとなれば変更していきたいと考えています。

 

ー逆を言うとユーザーから価格に対する不満は大きくないということでしょうか

吉澤 哉
プロデューサー、プランナーとして商品のブランド化・ファンの獲得を目的に各種ブランドサイトを構築。サイト制作だけでなく、イベントのプランニングを多数実施。 大手ECサイトの総合ディレクションやUI改善を担当。 イベントのノウハウで、常にリアルマーケティングを意識した制作をするプロデューサーとして支持される。