ー エリアマーケティングはどのような計画で実行されましたか?
最初は近畿エリアに拠点を置きました。
原始的な手法ではありましたがポスティングや大型看板などに出稿したり、街の自転車屋さんとうまくタイアップし、配送拠点や整備体制を整えました。
2021年5月からは首都圏でのサービス展開もスタートする予定です。
ー 累積の黒字転換まではどのようなご計画だったのでしょうか
サービス開始から3年8ヶ月で黒転する計画でした。
その中でも意識したのは既存事業と新規事業の経営的なバランスです。
2020年、2021年の2年間はサブスク事業単体でいうと赤になる計算ですが、既存事業は既存事業として利益を出し続けることによりバランスをとっています。
契約件数は計画比120%で、この結果は予想外でしたね。
かなりの台数が出荷されるので、仕入先との価格交渉もスムーズですし、サブスク契約に伴うオプション契約が好調で、両方作用して当初計画していたよりいい結果になっています。3年後の事業の姿が見通せるので思い切った一手が踏めるようになりました。
ー コロナ禍でのビジネス状況はいかがでしょうか
状況は良いですね。車体を引き渡す時にお客様にヒアリングを実施しているのですが、「通勤で電車に乗るのを避けたい」など通勤・通学の環境が様変わりしたことに伴い、電動自転車の購買心理が働いていると推測しています。
生活スタイルの変化が追い風になっていると思います。
ー 運用体制についてお聞かせください
ローコストオペレーションを大前提としています。
本部をひとつ構えて、配送・回収は拠点が必要のため近畿・東京に設けています。
2022年には名古屋、以降、仙台・広島・福岡への展開を計画しています。
各拠点にオペレーション要員が2名、配送要員が2〜3名の体制で各拠点毎月100台の対応が可能です。
来店型の接客は可能な限り避けたいのでネット又はチャットで完結できるような体制と仕組みを構築しています。
年に1回メンテナンスの義務付けをしていますが、来店が難しいお客様に関してはセルフチェックシート(当社基準)をネット上でダウンロードできるようにしています。
ー 今後貴社のサービスを利用する顧客に向けて最も伝えたいことを教えて下さい
『電動自転車を「買う」以外にも選択肢はあるよ』と伝えたいです。
買わずに借りる、新車を買わずに中古を買う、そういったところに目を向けてほしいですね。
ー そこに貴社の狙いがあるんですね
大きな狙いとしては電動自転車の中古流通市場を作る。これが最終的な目的です。
車は中古市場がありますよね。全体で8割の市場があると言われています。
それに対し電動自転車は新車で800億円の市場があり、そこに500〜600億の新たな市場を作り中古市場のパイオニアになりたいと思っています。
それには車体が必要なので車体供給のパイプを作っています。
他社の場合、弊社と比べると数倍の値段で提供していますよね。
そもそもビジネスモデルが異なるので、これ程の価格差になっているのでしょう。
私見ではありますが、サブスクは手段であり目的ではありません。
弊社は、中古自転車市場を作るためにサブスクを手段として使っていて、結果的に利益が出ている。
ビジネスモデル自体、サブスクで利益を産もうとしていなかったので低価格での提供をしているんです。
ー 本日はありがとうございました
ー 経歴 ー
==========================
代表取締役:綿谷 泰宏(わたたに やすひろ)
経歴
1968年神戸市生まれ
甲南大学卒業後、株式会社内田洋行に入社。
情報システム部門にて上場企業向け基幹システムの営業に従事。
固有の業務理解が必須のためITコンサルの勉強をし、ABC、ABMのコンサルティングを実践。その経験を活かし2008年に独立。現在に至る。
==========================
『 NORUDE(ノルーデ)』 https://cycloop.jp/subscription
サイクループ株式会社:https://cycloop.jp/