牛角の焼き肉サブスク、販売終了に 申し込み殺到で来店できず

焼き肉チェーン店『牛角』を運営するレインズインターナショナルは、2020年1月7日15時で『焼き肉食べ放題PASS』の新規販売を終了したと発表しました。
『焼き肉食べ放題PASS』は毎月11,000円のサブスクリプションで『牛角』の焼き肉が食べ放題になるというプランで、11月29日から販売されていましたが、短期間での撤退となりました。

サブスクリプションの失敗事例となった牛角の食べ放題PASS

今回、主にネット上でお得さが話題となり、さらにはテレビにも取り上げられるなどした影響で、予約がとれないなどの事態が発生していました。席がとれずにパスを購入しても連日来店できない状況が続いていることは同社も認めており、新規の販売を終了したとのことです。

また、すでに『焼き肉食べ放題PASS』を購入してる顧客については、翌月以降の更新が停止されるため、現在の契約分で順次終了となります。同社は、利用対象店舗を45店舗拡大するとしていますが、同時にその他の定額PASSについても今後販売中止となる可能性があるとしています。

『牛角』の焼き肉食べ放題PASSについては、どのような問題点があったのでしょうか。過去の記事でも紹介したサブスクのONBに照らし合わせて考えてみたいと思います。(※ONB:お得・悩み解決・便利)

まず、お得については間違いなくヘビーユーザーにとってはお得です。焼き肉が好きな顧客は数多く存在しており、知名度のある『牛角』で焼き肉が食べ放題となれば、特をするユーザーが沢山いそうです。
一方で、悩みの解決については、顧客の具体的な悩みの解決はなさそうです。逆に、今回の場合”11,000円支払ったにもかかわらず席がとれない”といった新たな悩みを作り出してしまう結果となりました。
便利についても、残念ながらPASS購入者専用の席が用意されているといった仕組みもなく、一般客と同じ扱いの予約となっているため、便利とは言えない状況です。予約が取れない分不便になってしまっている部分があります。

このように、サブスクリプションを開始する場合にはサービス設計の段階で、ONBをきちんと設計することが必要であり、定額で毎月お金を支払ってくれるVIPユーザーにとって快適にサービスを利用してもらえる仕組みを予め整えておく必要があります。話題となっているサブスクリプションビジネスですが、店舗にチケットとして導入すれば、顧客が増え、話題性もあり、収益も上がる、と思われがちですが、今回の牛角のように顧客の不満をつのらせてしまい、失敗事例や撤退事例となってしまう可能性があることを忘れないようにしたいものです。

こうしたことを怠ると、値段だけを見て飛びつく一時的な顧客が増えてしまい、かえってこれまで店舗に通ってくれていた古くからのユーザーを失う結果にもなりかねないことをよく考えて置く必要があります。新規顧客にとってはもちろん、既存顧客からも失望される失敗事例となってしまうようなサブスクリプションサービスの導入だけは避けたいものです。

参考:『牛角』https://www.gyukaku.ne.jp/

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杉山拓也
大手SIerを経て、ベンチャー企業にて複数のB2Bメディアを立ち上げる。 その後アプリマーケティング会社を立ち上げ、500以上のアプリマーケティングを支援。サブスクリプション型のビジネスを通して継続的にユーザーとコミュニケーションする重要性を体感する。 サブスクリプションマガジン編集長。